罪と罰を読んで

こんにちは、やなべです。

 

ブログを始めて、文章力をつけるには、名文と呼ばれるものを読んだ方が良いんじゃないか、ということで久しぶりに重厚な小説を読んでみました。

 

 

読んでみて思ったのが、登場人物のキャラクターを説明するためのエピソードが長く、本筋とは何だったのかと感じるほど、寄り道が多いということです。その分、それぞれの登場人物に、本物の人間のように感情移入できるようになるのですが、枝葉を読み進めていく忍耐力が必要かもしれません。

 

この物語は、ラスコーリニコフという元学生が論文で発表した考えに従い、殺人を犯すのですが、完全犯罪に近く証拠がないため、自首しない限りは逮捕されないところ、周りの人間との関わりの中、罪の意識に苛まれていくというものです。

 

主人公が発表した論文の内容は、「人間は2つの層に分かれ、天才と凡人である。凡人は服従することで生きていくが、彼らを支配するためのものが法である。一方、天才は法を超える存在で、大義のために法を犯すことが許される。」というものです。

 

ラスコーリニコフの描写で印象に残ったのが、罪を認めて自首する方向に進んでいくにつれて、気持ちが穏やかになっていくということです。それには、彼が流刑にされてもそれを待っている存在があることも大きく関係しているようです。最終的に自らを凡人と捉えたかどうかは分かりませんが、罪に対する罰を受け入れることで、主人公と周りの数少ない仲間との関係が強固になっていくのです。

 

自分が罪を犯したとしても、傍にいてくれたり、待ってくれたりする友人や恋人がいたことは、主人公にとって何よりの救いだったはずです。これが無ければ、まったく報われれない小説になっていたことでしょう。いずれ刑を終えて、生活をしていくという未来を予感させて、この小説は終わります。

 

自分が有利な状態ときには、たしかに周りには人が集まることが多いと思います。しかし、不利な状況になったときでも傍にいてくれる人というのは、なかなかいないのではないでしょうか。それでも、損得の域を超えて行動してくれる人が現れたときに、本当に強固な関係が築かれるのかも知れません。

 

ちなみに、中田敦彦さんが動画で罪と罰のあらすじを説明しているものがあります。一発撮りでこんなにも流暢に、分かりやすく解説するのは、流石としか言いようがありません。とても分かりやすく、引き込まれるのでお勧めです。

 

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