論語と算盤を読んで

こんにちは、やなべです。

 

本日のやなべ読書は、論語と算盤です。著書は渋沢栄一さんで、近代日本の産業基盤を築いた偉人です。渋沢さんは、江戸時代末期に豪農の家に生まれ、初めは武士を目指しました。しかし、万国博覧会随行としてフランスに渡ったとき、現地で近代資本主義を基礎とした経済力に圧倒され、日本の近代化のためには、当時低い身分とされていた商人の地位の向上が必要だと気づきました。

 

その後、当時の大蔵省に迎え入れられ、明治維新に関わる様々な改革に乗り出しますが、尊敬する上司が退職するなどをきっかけに、大蔵省を辞めてしまいます。そして、自分の人生の志を実業に据えたことで、銀行や電力会社などの今日にも続く大企業を創設します。

 

 

さて、この本のテーマは、実業は道徳を基盤にして行うべしということです。そして、道徳というのは、中国の思想家孔子の発言集である論語とそれをもとにした武士道を指すのだといいます。世の中にモノを行き渡らせる実業が道徳を基礎として富を形成したとき、それは国の継続的発展に繋がるのです。

 

本書では、論語に基づく道徳の例がいくつか挙げられていますが、その中で根幹となるのが人格を磨くということで、良心的であることや信頼されることなどの基本であり、世の中にモノを行き渡らせて豊かにしたいという気持ちなのだそうです。自分の利益のみを考えていたのでは、継続的な発展は望めないということです。

 

その上で、論語に書かれている生き方の中から私が印象に残った箇所を紹介します。

 

それは、志を立てるということです。志には、根幹となる大きな志と、大きな志を基に発生する小さな志があり、人生を何に捧げるかの大きな志を自分の得意なことから見いだすというのが大切になります。

 

私の場合は、誰かの心を動かす価値のあるものを生産する、というのが今のところの志ですが、まだ具体的に何を提供するのかは決まっていません。正直焦る気持ちもあります。文章を書いて価値生産できればという気持ちを、どのような行動に結びつけていけばいいのか、今のようにブログの毎日更新で足りるのか。

 

本書には、天命を待つということも書かれています。世の中の事情というのは、原因と結果の因果関係があり、その関係を無視して形成を変えることは難しいのだそうです。世の中の流れの中で生きていく私たちは、成り行きを広く眺めつつ、勉強をしながら気長にチャンスが来ることを待つことも必要なのです。